【トリートメントって必要?】「ダメージ毛とエイジング毛」の考え方
エイジング毛とダメージ毛は構造が似ていて、どちらも髪の内部に空洞ができている状態になります。
同じ空洞化で似てはいますがエイジング毛とダメージ毛の対策はイコールではありません。
通常の髪の内部はコルテックスが密になっているが、空洞ができることにより、コルテックスの偏りが生じて、「パサつき」や「うねり」でまとまりにくくなります。
エイジング毛は生えてくる時点でコルテックスやCMCが減ってしまい空洞化していますが、ダメージ毛の場合は、生えている髪の毛に後から空洞ができる(パーマやカラー等の施術や日々の間違ったヘアケアといった後天的に空洞化する)ダメージホールと呼ばれます。
私にとっての「ヘアケア」とは、擬似的に足りなくなった成分を補う事で健康毛に近づける考え方になります。
健康毛の定義については考え方は様々ありますが、「決してツヤツヤさらさらに見える事」が健康毛ではないと考えています。
たとえ、髪に強い癖があっても、細くても「健康毛の定義」①水を弾く疎水性②pHが弱酸性である③適切な油分がある④適切な内部の水分量、という条件が整っていれば、「ツヤツヤさらさら」でなくても健康毛だと考えています。
一般的には「サラサラつやつや」の髪が健康で綺麗な髪と定義されていますが、「私が考えるヘアケア」と「さらさらツヤツヤ」=「健康毛」ではないということを御理解を頂きたいと思っております。
現在「ヘアケア」は数え切れない程の「考え方、施術方法や種類」があります。
最近でいうと髪質改善等もヘアケアと捉える方もいらっしゃいますし、特に日本と海外では文化や髪質、気温等の環境も全く違いますし、毎日のシャンプーが普通の文化もあれば、しない文化も存在するので、求めるヘアケアの条件も変わってきます。
特に湿度は髪への影響が強く、日本の気候では、夏は湿気で冬は乾燥といった四季によっても髪や頭皮の状態が変わるため、「ヘアケア」も必然的に変わってきます。
環境や自分の髪のコンディション等、様々角度から自分にあったヘアケアを選ぶ事が重要になってきますが、数え切れないシャンプーやトリートメントの中から自分に合う物を見つけるのは、難しいという声もよく耳にします。
その為に、プロである美容師がヘアデザインだけでなく、ヘアケアに関しても責任をもって考えてあげる事が重要だと考えています。
トリートメントに関しては「つやつや」「さらさら」「しっとり」といった質感だけを求めるトリートメントで「皮膜で髪の表面をコーティングしていく」皮膜を作るだけのトリートメントもありますが、私がおすすめのトリートメントは具体的には「高分子~中分子~低分子のケラチンPPT(ケラチン、コラーゲン、シルク)を髪の内部の空洞に入れていき、接着剤の役割を果たすCMCで固定していく」トリートメントで擬似的に髪の内部に働きかけ皮膜でコーティングをしすぎないトリートメントになります。
しかし、トリートメントでは痛まないと思われがちですが、どんなに良いシャンプーやトリートメントでも適切な使用方法ではなく使い方を間違えてしまうと、本来の効果を引き出せなかったり、逆に髪への負担やトラブルに繋がることもありますので注意が必要です。
サロントリートメントに関しましては、「必要」「必要ない」と様々な意見や考え方はありますが、私は基本的にカラーやパーマ等の薬剤を使う施術をした方に対してはトリートメントはした方がいいと考えています。
最低限のダメージで施術するようには心がけていますが、「薬剤」「熱処理」等、少なからず髪への負担はかかってきますので、髪の内部から出ていった分を擬似的にを補給する為と、髪にとって最適な状態に戻す為にも必要だと思っております。
今回はエイジング毛やダメージ毛への対策とアプローチについてのお話をさせて頂きましたが、基本的に毎日のシャンプーやトリートメントによる家でのヘアケアを継続して、しっかりやって頂くことが1番大切です。
それだけでも髪のうねりやパサつき等は改善される事が多いと思います。
普段のヘアケア以外にも薬剤を使った施術等、沢山アプローチの仕方はありますし、色んな考え方や理論がありますので、今回ご紹介した内容が全て正しいとは思ってはいません。
また「ヘアケア」だけでなく「頭皮ケア」も大切になってきますので、「頭皮ケア」については、別でご紹介したいと思います。